シブヤ大学

授業レポート

2014/1/5 UP

野菜で暮らす ~食習慣から考えるここちよい生活~

“彼”と僕の決定的な違いは、
ベジタリアンとそうじゃないみたいな。

先生の岩溪さんが伝えたかった、授業のテーマです。
これ、どういうことでしょうか?

さて、授業を振り返りながら、答えを探ってみますか!

■自己紹介タイム
まずは授業に参加してくれた19人の学生さんの自己紹介タイム!
先生から課されたお題は、
「普段生活をしていて、基準にしていること。テーマにしていること。」
を交えて1分間で自己紹介をするというもの。

授業のテーマが、食習慣ということもあり、
「添加物を使った食品をとらないように心掛けています。」
「JAツアーに参加して、その地域の新鮮な作物について学んだり、食べたりしてます。」
「マクロビを取り入れた生活をしていて、緩やかなベジ生活を実践しています。」
などなど、健康を意識した生活を送っている方が多数いらっしゃいました。

中には、
「現役を離れて時間に余裕ができたので、料理教室に通い始めました!」という男性の学生さんも!

自己紹介が白熱し、なんと50分も楽しくお話しできました!

■先生はなぜ、ベジな生活を送るようになったのか?
学生さんが打ち解けてきたところで、先生の自己紹介に!

先生が、ベジな生活を送るようになったのはおよそ8年前のこと。
それまで京都と大阪を拠点にバンド活動をしていましたが、東京で挑戦することになりました。

音楽活動とアルバイトを掛け持ちしながらの生活が続き、どんどん体調を崩していったそうです。

具体的には、おなかを下してしまったり、
寝つきが悪く、朝もなかなか起きれなかったり、
イライラしがちになったそうです。

そんな時に先生は、ふと思ったんです。
自分の身体の不調って、
毎日のようにバンドメンバーを引き連れ、食べ歩いているラーメンが一因にあるのではないかと。
焼肉など味の濃いものばっかり食べているからではないかと。

食生活の乱れを改め、先生は自分の身体で実験をしてみました。
・ラーメンなどの味の濃いものを食べて過ごす一週間
・刺激的なものを全く食べない一週間

驚くほどの違いがあったそうです。味の薄いものだけを食べた一週間は、一度もおなかを下さなかったそうです。

そんな時、先生は思い出しました。
「自分の音楽の原点でもあり、尊敬してやまないBeatlesのポール・マッカートニーもベジタリアンだ」と。
彼のようにベジタリアンになれば、もっと音楽で上を目指せるのではないか、
という希望的観測のもと、先生はベジタリアンにシフトすることを決意しました。
そこで、先生は、
「植物性か動物性か」という基準、人生のテーマをもつようになったのです。

■先生が実践する“ヴィーガン”というライフスタイル
先生がベジな生活へとシフトするにあたり、
4本足の動物を食べないことから始めました。
しかし、ベジな生活を実践していくうちに、
「なんで4本足の動物は食べちゃいけないのに、2本足(鶏など)は食べていいのか」
という疑問にぶちあたり、答えが見つからなかったので、
2本足の動物も食べなくなり、肉類を摂取しなくなりました。

そのあと、魚介類も食べなくなり、
最終的には牛乳・卵などの乳製品もとらなくなりました。

肉類、魚介類、乳製品。
動物性のもの全般を食べないひとのことを“ヴィーガン”と言うのです。

先生は、東京でバンドメンバーと一緒に共同生活を送っていて、
みんなで、交代交代で自炊をしていたそうです。

共同生活をしていたので、バンドメンバーにベジな生活を送ることを共有し、
先生の食事にだけ肉類をいれないようにと頼んでいたそうです。

しかし、やがてほかのバンドメンバーも食事に動物性の食材を使わなくなり、
メンバー全員がベジタリアンな生活にシフトしていきました。
(先生は、バンドメンバーにベジな生活を送るように啓蒙啓発を行っていません!)

バンドメンバー全員がヴィーガンになり、
それをきっかけにベジのコミュニティーをつくろう!という動きになりました。

そして嬉しいことに、
ベジじゃないファンの人たちが、自分たちをきっかけにベジな生活を送るようになったんだとか。

そんなとき、先生はポール・マッカートニーのことを思い出しました。
自分は、ポールの生き方にあこがれてベジな生き方を実践した。
そして、そんな自分をきっかけにしてベジな生活にシフトしていったファンがいる。

■ベジタリアンには、おおまかに3種類ある!

ベジタリアンというコトバをよく耳にしますが、
もっと細分化して分類することができます。

1 ヴィーガン(動物性食品以外を食べる。身につけるものも、動物性以外。)
2 ラクトオボ・ベジタリアン(乳製品と卵は食べるが、肉と魚介類は食べない。)
3 ペスコ・ベジタリアン(お肉は食べないけど、魚介類は食べるという緩いベジタリアン。)

■先生はどんな活動をしているのか?
NPO法人THINK AGAINを立ち上げ、
ベジなライフスタイルを広める活動に取り組んでいます。

Vege Loop-ベジループ-
自身の健康の為にお肉を控える→動物の倫理の問題解決や家畜の量を減らすことができる→家畜のために使っていた土地を食糧を生産するための土地にシフトし、食糧問題を解決→(これが循環として続く。)

上記のVege Loopという考え方や、
ベジバーガーというオリジナルレシピを広めています。

現在、成長しながら、
「ベジ」な生活が共感を生むために努力を続けています。

■ベジバーガーを食べてみよう!
先生の講義が終わったあとは、
学生みんなでベジバーガーを食べてみました。

もちろん、バンズ、パティ、ソース全て植物性の食品を使っています。
パティには、こんにゃくを使用しているそうです。

そして、デザートとして、
乳製品も卵も一切使用していないビスケットも用意して下さりました!
(とっても、バーガーもデザートも美味しかったです。)

■授業の振り返り
最後に、授業の感想を学生たちで共有しあいました。
「ベジタリアンになろうとは思わないけど、バランスよくお野菜を生活に取り入れていきたいなと思いました。」
「自分に合うもの、食べたいものを食べようと思いました。」
「先生のように、「筋を通す」ことの大切さを学びました。」
などなど、みなさんそれぞれ自分なりの感想をお持ちでした。

私も、食生活を完全に植物性の食品だけにシフトするのは難しそうですが、
ベジな生活を少し取り入れてみたいなと思いました。
大学生ということもあり、飲み会で脂っこい食事を夜遅い時間に食べたり、
お昼を食べる時間があまりなくてお菓子で済ませてしまうこともしばしばあるので、
お野菜を取り入れて身体にやさしい生活を送らないとな、と反省しました。

先生のお話を通じて、
ベジなライフスタイルを送っているひとの考えかたや気持ちを以前より理解できました。
(今までは、ベジタリアンというと私はストイックなイメージがありました。)

(4期インターン 矢永奈穂)