シブヤ大学

授業レポート

2012/3/27 UP

自分でメンテナンス!知って楽しい暮らしのヒント ~お部屋の壁編~

しとしと雨が降っていたにもかかわらず、
東急ハンズ渋谷研修施設(ヒントハウス)に多くの人が集まってくれました。

会場に着くと目に映るのは、長さ、大きさの違う木の板。
何枚も、ひとりひとりの机の上に乗っていました。

これを使って何をやるのか、楽しみにしながら、人が集まっていきます。そして時間が来て、授業開始です。

今日の授業は、
壁にフックを付けて重たいものを掛けたいけれど、フックを取り付けたいときに、壁をどう使うのかや、
失敗して大きな穴を開けてしまった壁を自分で修復してみよう、というものでした。

まずは、今や多くの家で壁材として使われている石膏ボードについて、その構造や歴史を学びます。
石膏ボードは、結晶水という水分を21%も含んでおり、防火性と遮音性があります。
また、安価で非常に丈夫なので広く壁材として使われているそうです。
ただ、難点は材質がやわらかくて釘が効かないことだそうです。

やわらかい石膏ボードに、どうやってフックをつけるのか。
東急ハンズの社員さん、店舗スタッフさんに教わりながら、
まずは石膏ボードに穴を開ける作業が始まりました。

皆さんはじめての電気ドリルと石膏ボードに興奮ぎみで「なかなか開かないよー」とか、
「あ、意外にやわらかい!」といった感想が漏れていました。

そして、次は空いた穴に部品(中空アンカー)を差込みます。
このアンカーがびっくりするような機能を持っていました。
ネジを回すごとに壁の向こう側で傘が広がるかのようにしてアンカーが広がり、
壁を両面からがっちりと固定するのです。(壁の向こう側の構造をよく理解するために、事前に東急ハンズのスタッフさん手作りキットを作ってくれました。)

へぇ~なるほど。
やわらかい石膏ボードだけど、こういう特別な部品を使うことでがっちりフックを固定するんだ!
と感動してしまいました。

それから、お店に行く前に壁の材質や厚み、壁裏が中空かどうか等を調べることが大切とのことでした。
その方法としては、壁のコンセント(スイッチ)プレートを外して見るのが確実なようです。

そして、次は間違った場所に開けてしまった穴を、補修する方法について学びました。
水に濡らしたスポンジを穴に詰めて、そこへ専用の瞬間接着剤を注入し、30分ほど待つと、穴にはがっちり固まったスポンジができます。よぶんなスポンジをカッターで削り落とし、完成です。
あとはもとの壁のように穴を開けて、フックを取り付けることができます。
こんな便利な道具があったなんて!
一回間違えても、やり直せる道具があると本当に便利ですね。

そして次はなんと、10センチほどの大穴を石膏ボードの壁に開けてしまった場合の修復方法を学びました。
これは、先生が施工するのを、プロジェクターの画面で見る形で行われました。

まずは、穴のあいた部分の壁紙を大きめにカッターで切り取ると、そこには石膏ボードの表面が出てきます。
そうしたら穴の部分に、目の広いネットをはって、準備完了。そこへパテ(修復剤)を塗りつけます。
表面を金属ベラでまっすぐにならし、乾燥させ、ぬる、ならす、ぬる、ならすを数回繰り返して、乾いたら紙やすりで均等にならします。
最後に新しい壁紙を貼って、余分な壁紙を切り取ってできあがりです!
ちょっと難しそうだけれど、こんなことまで出来るのかと感激しました。

楽しい授業が終わって、これからはもっと壁を有効利用できるし、大穴を自分でも直せるんだ、ということを学べて大収穫の一日でした。
これからの日曜大工が楽しくなりそうだなぁと思った授業でした。

漆原先生、東急ハンズのスタッフのみなさま、ありがとうございました。

(ボランティアスタッフ: 中村 藍)