シブヤ大学

授業レポート

2011/11/30 UP

未来の働き方 ~30年後の視点から今を考える~

今回のシブヤ大学の授業では、無印良品「くらしの良品研究所」研究員の土谷貞雄さんを招いて、みんなで「30年後の未来の働き方」をテーマに話し合いました。

授業前半では、土谷さんがまずは30年後というのはそもそもどうなっていそうか、というのを世界と日本の人口や年齢分布などのマクロデータを共有しました。例えば、日本は高齢化社会が継続する場合、ヨーロッパの先進国と比較しても高齢者比率が最も高い国のひとつとなります。そのような状況で、日本は新興国などの若い国が経済活動などで“拡大”する中、高齢化した社会をネガティブに捉えるのではなく、“成熟した国”として“縮小”する社会モデルを作ることで、世界に新たな価値を提供し、リードできるのでは、という話がありました。
また、現状ある病院やレストラン、電車・バスなどのさまざまなサービスが30年後にあるのか、という視点で、社会変化に合わせたサービスニーズの変化=仕事ニーズの変化についても触れました。

授業の後半では、土谷さんが自己紹介的に今まで行ってきたこと、今かかわっていること、仕事の仕方・考え方などの紹介を行いました。
その後参加者はグループにわかれ、「30年後に出てきているもの、なくなっているもの」を分類(1)サービス、2)製品、3)制度・システム、4)現象・その他)してディスカッションを実施。そして各グループで出てきた1つの深堀できそうなテーマについてより話し合いました。

今回の授業は、30年後の仕事について考える授業でしたが、内容的にも想像するのが難しく、当然のことながら最終的に話を集約するのも困難な状況でした。ただ、その中で参加者同士と話し合うことで、以下の事柄についてのそれぞれの認識や考え方など共有できたと思います。

・将来の状況
(例:経済成長は水平または縮小、人口は縮小し高齢化は拡大、など)

・将来の仕事・社会的ニーズ
(例:定年後も働く、NPOなど社会的課題解決に携わる人も増える、コミュニティを支える、ビジネスとボランティアの間のような職種ができる、もっと「学校」というフレームは自由に変化する、など)

・ではそこに向かう我々はどのような経験・スキルが必要か
(例:企業の枠組みを超えて、多くの人達と接して時代の変化を作る、社会の価値の変化を読み取ることのできる感性を磨く、人と人をつなぐ力をつける専門性を深める、など)

今回の授業で未来についてイメージすることで、「未来」の状況を見据え、なりたい人になるために「今」自分に何が必要か、どのようなスキルをどう磨いていくのか、を考えるきっかけができたのではないでしょうか。
当たり前のことですが、今は未来につながっており、日一日が将来への一歩です。今回の授業から、それぞれのなりたい「未来」が出現するのを楽しみにしています。

(ボランティアスタッフ: 山口由季子)