シブヤ大学

授業レポート

2011/7/22 UP

コスプレでAKBを踊らずに、パーティを盛り上げるいくつかの方法

午前午後イチクラスの授業風景は各回の授業詳細ページの「フォトレポート」をご覧ください。


夏といえば夏祭り、ホタル狩り、BBQ、スイカ割り、そして花火大会。
いろいろなお祭りの楽しみ方がありますが、まだまだ日本ではホームパーティが本格的ではありません。
外国映画のパーティのシーンを観て(自分もやってみたいなあ)と何度も思ったことはありますが、
なかなか機会がありません。
それに慣れていないと、たまに機会があっても楽しみ方や盛り上げ方がわからず、
コスプレでAKBを踊るしかありません。
でも、パーティのツボがわかっていれば、その場をもっと盛り上げられることでしょう。

この講義は、いろいろなパーティグッズを使って、ホームパーティを楽しもうというものです。
音頭を取ってくれたのは、イベント企画課のヒロ(田原)さんとフロアマネージャーのヤス(藤田)さん。
初めて会ったばかりの参加者たちは、お面や一升樽、着ぐるみ、
ツイスターのシートで飾られた賑やかなお祭り会場に、もぞもぞしながら座っていましたが、
ヒロさんとヤスさんのツーカーの掛け合いを聞いているうちに、少しずつ場がなごんできました。

ヤスさんは、以前はフロアのイベント時に天使の羽根をつけていたそうですが、
今は屋台のおじさんの格好をしています。
それが隙のないファッションで、ビシッと決まっていました。
まずはめいめいの仮装グッズを選ぶためにくじを引きましたが、なんとみんな6等賞。
結局ヒロさんが、手渡しで参加者に配り、それぞれがおっかなびっくりつけてみたら・・・
レインボーアフロ、10円ハゲ、道化師に宇宙人に白ウサギ、
ヒゲめがねやピーヒャラ笛カチューシャという怪しい面々に!

ヤスさんからは「おもしろい人におもしろい格好をさせても、おもしろくないからね」という名言をいただきました。
お互いの姿に、遠慮も忘れて大笑いし合いましたが、そのうち見慣れてきました。
またそれぞれが、妙にしっくりと似合っています。
仮装グッズは、意外と誰にでも似合うようにできているものなのでしょうか。

「じゃあ、フロアツアーに出かけよう」と、おもむろにヤスさんが立ち上がったので、ビックリしました。
この格好で?嘘でしょう?通報されるかも!?
と、初めは参加者全員の腰が引けていましたが、
まとまって歩いていないと逆に一人で浮いてしまうため、ぴったりと寄り添うように固まって動きます。

まず案内してもらったのは、光るフラッシュブレスレットのコーナー。
東急ハンズ渋谷店は、NHKホールやCCレモンホールが近くにあるため、
こうしたライブグッズが充実しているそうです。
それから、みんなでつけている仮装グッズコーナーへ。
その片隅には、ガラスケースに入った高級そうなベネチア仮面コーナーがありました。
このベネチア仮面と白ふんどしは「いつもなぜか売れる」そうです。

某高層タワーを彷彿とさせる下町タワーの帽子は、渋谷店のみで売られているとのこと。
吹き戻しの笛や抽選券は、今でもおばあちゃんの手作りだと教えてもらい、
手作りのものが売られていることに驚きます。
熱心に話に聞き入る、変な仮装の一団。
慣れとは恐ろしいもので、いったん場の空気に馴染むと、もう自分の格好が特に気にならなくなりましたが、
これが外から見る立場だったら、謎のグループにしか思えなかっただろうと思います。

コスプレグッズも充実していました。旬の人を取り入れるのが早いですね。
戦場カメラマンや、デラックスな人、ドドスコの人になれる服一式がありました。

びっくりするほどふんだんに揃ったパーティグッズを見た後は、また会場に戻り、
仮装した格好のまま、講義を受け続けます。
通りすがりの人たちは、みんな振り返って見ていました。
それからヒロさんが取りだしたのは、二人羽織。
誰もやったことがなかったため、参加者の間に動揺が走りました。(まあ、普通はやらないですよね)

これをまず、レインボーアフロと宇宙人が挑戦しました。
二人がピッタリと寄り添わなくてはならないため、中は窮屈そう。
見ている方は、そのぎこちなさが楽しいのです。
おなかを抱えて笑いながら見ていましたが、全員やることになりました。
初めはシュークリームを手で食べさせていたので、危なっかしくもなんとか形になりましたが、
次はロールケーキを長いスプーンで食べさせることになって、不自由さがレベルアップ。
とうとう最後には、そうめんが出てきたので、見ているみんなで悲鳴を上げました。
密封されたつゆを容器に入れて、箸で薬味を加え、そうめんを食べさせます。
これは難易度が高いです。たまらず、みんなで身を乗り出して見守ります。
ぶるぶると震えるそうめんの先がなかなかつゆにつけられず、
たまらずみんな「もっと左!」「もうちょっと右手を上に!」などと声を上げて応援します。
はっと気がつくと、周りをぐるりと、見物客が囲んでいました。
外国人のお客さんも、物珍しそうにじっと観察していました。

少しずつ失敗はしたものの、大惨事には至らず、
みんなが無難に食べおえられたので、ホッとした空気が漂いましたが、ヤスさんの目は鋭いまま。
「二人羽織はね、わざとぐじゃぐじゃにした方がいいんだよ。場を盛り上げるためにね」
というアドバイスをいただきました。
なるほど、確かにその方が、観客サイドは盛り上がりますね。
今回は、会ったばかりの人とペアを組んだので、お互い迷惑をかけまいと必死でしたが、
人前で披露する時には、二人でこっそり申し合わせていたら、絶妙なお笑いコンビになれるかもしれません。
パーティは、ピエロ役がいるからこそ盛り上がるということが、よくわかりました。

初め、ぎこちない空気が漂っていたのが嘘のように、
なごやかで楽しいムードのまま、お開きとなった今回の講義。
いろいろなパーティグッズを紹介してもらって、実際に遊んでみることができたので、
自分でホームパーティを開く時に、活用できそうです。
また、フロアマネージャーに案内してもらって、
宝の数々がひそんでいる迷路のようなハンズのフロア巡りができたのも、
町歩き感覚での面白い体験となりました。

(ボランティアスタッフ: 小野寺理香)