シブヤ大学

授業レポート

2007/2/20 UP

 

2007年最初のシブヤ大学の日。教室の入り口には浜崎あゆみの写真パネルが置かれ、部屋を囲むようにアーティストや有名人など豪華な顔ぶれの写真が並べられました。これらを撮影したのが本日の先生、シンガポール生まれの写真家レスリー・キーさんです。独特の親しみやすい日本語と35歳とは思えない外見、そして見ている方までハッピーになるような笑顔が印象的です。今回の授業は、アジアでの旅と『Super Stars』という写真集を制作した際のお話をしていただきました。

<アジアの旅>
授業が始まってすぐにレスリーさんが1989~90年にかけてアジアを旅した際に撮った写真のスライドが上映されました。BGMはユーミンの『スラバヤ通りの妹へ』という曲で、映し出されるアジアの景色や人々の姿を懐かしく感じさせる曲です。アジアの旅はシンガポールからマレーシア、そしてインドへ続きました。インドではどんなに貧しくても毎日笑顔で暮らす人々の姿に人生の意味を考えさせられたそうです。そんな旅の中で幸せを感じたことが旅先で出会った子供たちに写真をあげることでした。インドの子供たちはカメラを持っていなかったので、撮った写真を現像して渡してあげるとすごく喜んでいたそうです。「人を幸せにしたい。笑顔が見たい。」と語るレスリーさんの原点がこのアジアでの旅なのだと思いました。

<写真集『Super Stars』>
『Super Stars』という写真集を作ったきっかけは、レスリーさんがニューヨークへ渡った2年後の2004年12月26日に起こったスマトラ沖地震でした。テレビで地震のことを知り、アジアのために何かできないかとチャリティーの写真集を作ることを決意します。ユーミンをはじめいろんな人に電話をして、22ヶ月で300人のアジアのアーティストがそろいました。
今でこそ有名なブランドやアーティストたちの写真を撮っているレスリーさんですが、実は26歳までブランドはグッチしか知らなかったのだそうです。他にも、酒・タバコ・嗜好品が苦手、でもチキンが大好き。(13~16歳までケンタッキーでバイトをしてたから)とか、本当は歌手になりたいとか…。きっとこの『Super Stars』に参加した人たちは、レスリーさんのそんな飾らない人柄に惹かれたんだろうなと感じました。

この授業が行われる前日、1月19日はレスリーさんの大好きなユーミンの誕生日でした。レスリーさんは『We Are The World』という曲のメイキングが収録されたDVDをユーミンに贈ったそうです。『We Are The World』は22年前、飢餓に苦しむアフリカを救うためにアメリカのアーティストたちが集まって作った曲です。レスリーさんがユーミンにこのDVDをプレゼントしたのは、「ユーミンに『We Are The Asian』っていう曲を作ってほしいから。」なのだそうです。同じアジアに暮らす私たちが手を取り合えば何だってできるんだよ、とレスリーさんの笑顔に勇気をもらった気がしました。レスリーさん、どうもありがとうございました!

(ボランティアスタッフ 安達 光)