シブヤ大学

授業レポート

2010/7/23 UP

恵比寿駅前盆踊りに出よう!・2

梅雨も明け、真っ青な空は夏本番といった天気。気温もぐんぐんと上がって暑い日だったのですが、
この授業もとてもアツかったです!
お昼前から夕方まで、二部構成でどっぷりと恵比寿盆踊りを学んで踊ってきました。

■第一部 松下義男さんのお話
第一部は恵比寿駅前盆踊り実行委員会会長、松下義男さんから恵比寿盆踊り大会の生い立ち、オリジナル曲について、会場がどのように運営されているのかなどのお話をトークショー形式で伺いました。

印象に残っているお話は、やはりオリジナル曲についてです。
個人的には、昨年の恵比寿盆踊りにボランティアとして参加をしていて、
どんな曲かは知っていたので、この曲の秘密については気になるところでした。
というのも、このオリジナル曲には強烈なインパクトがあるからです。

初めて聞いた方は、この曲が流れたとたん、“え? え!?“と必ず驚かれるでしょう。
まるでサンバのようなノリノリのリズム。
そして両手をシェイクしたり、くるくる回ったりととても楽しそうな踊り……いや、もはや“ダンス”です。
見ているだけでは物足りず、輪に入っていく人が続出。
年齢、性別関係なく、みんなの笑顔がとても印象的だったのを、よく覚えています。

これらの曲がなぜつくられたのか……それは盆踊りが抱えていた問題からでした。
“盆踊り“と聞くと、少し古くさくて、参加しているのはおばあちゃんと子供たちが中心
というイメージがあると思います。
恵比寿盆踊りも同様で、以前は若い人は輪の中にはなかなか入ってきませんでした。

表参道よさこいなどは若い人も多く活気があるのに、なぜでしょう?
盆踊りは少し地味で魅力が無く感じたのかもしれません。
このままでは、衰退していってしまうという不安があったそうです。

ちょうどその頃、”マツケンサンバ”が世間では流行っていました(懐かしいですね)。
そこで、若い人向けにマツケンサンバのような踊りを取り入れてみよう
と考えたのがきっかけだったそうです。

大胆な発想は大好評でした。
明るく、乗りやすいテンポは多くの人を惹きつけました。
オリジナル曲を取り入れてから、盆踊りの雰囲気が変わっていったそうです。

毎年大盛況の恵比寿盆踊り。
多くの方に支えられ、運営されていることを学ぶことが出来ました。

■ランチタイム
ランチタイムは、次の盆踊りの練習会場までの途中にあったスペイン料理にて。
今回参加された生徒のみなさんで和やかに頂きました。
それぞれ自己紹介をしたり、シブヤ大学のほかの授業の話をしたり、
次の盆踊り練習に向けて腹ごしらえです。

■第二部 待ちに待った、盆踊りの練習!
午後は、オリジナル曲の振り付けをされた西川瑞扇先生が
中心となって行われている恵比寿盆踊りの公開稽古に参加することに。
地元の方だけでなく、それ以外の方も歓迎となんとも寛大な恵比寿盆踊りです。

練習会場に着くと、すでに練習が始まっていました。
少し奥行きのある広いスペースに大きな楕円の人の輪が出来上がっていて、小学生などもいて老若男女問わず人がたくさん。
そして、あのサンバのリズムが聞こえるではないですか!

生徒さんたちも手荷物をおいて、早速輪の中へ入っていきます。積極的です。
見よう見真似で踊るのですが、テンポが速い……。
でもなぜか曲が終わると達成感。
次に、振り付けを細かく分けて教えてもらいました。
丁寧にわかりやすく教えて頂いたので、振りの意味なども知ることができました。

オリジナル曲の「恵比寿音頭」、「HEY!! Mr.えびす」、「YES, YES, EBISU!」を何とかマスター。
そして「東京音頭」、「渋谷音頭」、「アンパンマン音頭」などなど……次から次へと踊ってみると、楽しくて仕方ありません。

みなさん踊りを覚えるのに真剣で、見事な集中力です。
でも、そんな私たちに先生がひとこと。
“顔が怖いです!みなさん笑って!”
確かに無我夢中で踊っているうちに、必死さが顔に出てしまっていました。

あっという間の3時間。
生徒のみなさんも終わった後は疲れというより、とても清々しい表情をしていました。

6~7曲は踊れるようになったかな?
でも、やぐら(太鼓を叩いている人などが乗っている輪の中心にある舞台のようなもの)で踊るには少なくとも10曲はマスターしなければならないと、松下さんも午前中のお話で言っていたっけ。
まだまだ道のりは長そうです。

■授業を終えて
たどたどしい踊りの私たちを見兼ねて、いたるところで“右手、左手、丸をかいて……”と音に合わせて隣で教えてくれた地元のおばさま方がいました。

そんな光景を見て、ふと、私が小学生のころの地元の盆踊りを思い出しました。
見ず知らずのおばあちゃんが盆踊りの輪の中で私たちに優しく教えてくれていました。
十年以上経った今でも、変わっていないんだなぁと温かい気持ちになりました。

盆踊りは日本の多くの地域に残っている日本らしい行事のひとつです。
恵比寿のように独自に進化してきたものもあるでしょう。
踊りや曲も多種多様で、地域に根付いていて、年齢や性別に関係なく楽しめる盆踊りは大切にしていって欲しいと思いました。
もし、日本のどこかに、来年の盆踊りはもっと盛り上げたいと考えているところがあったのなら、ぜひ恵比寿盆踊りを参考にしてみて欲しいです。
お勧めです。

(ボランティアスタッフ 北村 麻那美)