シブヤ大学

授業レポート

2010/5/21 UP

原宿表参道の裏ツアー ~『かっこいい暮らし』を考える 編~

●かっこいい暮らしって...
今回の授業は、「かっこいい暮らし」を考える。
このタイトルに惹かれた応募人数は、なんと競争率10倍。大人気でした。
(??大学レベルですね... すごっ!)
その授業に参加していただいた生徒さんは、11名(男性5名、女性6名)。

そして皆さんは、OL(といっても様々)、出版関係、
Webデザイナー、事業仕分けの対象外の公益法人、広告関連...

様々な方々が、「かっこいい暮らし」に興味を持っています。

●今回の授業ポリシー
最初に授業コーディネーターの松井さんから
「この授業は、みんなが対等、みんなが先生、みんなが生徒」と
説明がありました。これこそ、シブヤ大学、そして松井マジックです。

●講師の杉浦さん
名前は、杉浦 明志(すぎうら あきし)です。名前は必ず覚えられます。
呼び名は「あきし、スギ様、スギさん」と自己紹介。
(杉浦さん、「先生」と言われるのは苦手だとのこと)

長身で、スマート。ファッションも流石、ビームスのブランドfennicaの次長。
ファッションの中にも、さりけなく自身のポリシーが。
竹で編んである買い物篭(ツバメの模様を自分で入れたそうです)

「かっこいい!」。

生徒の皆さん、スタッフ&松井さん、同感!

ちなみに「fennica(フェニカ)」は、家具、陶器、雑貨を
取り扱っている、ライフスタイルのお店です。
 
和が好きでアイビーな僕は、スギ様のお店にお伺いしようと...

●第一部 「まずは、自己紹介」 (アイスブレークです)
 生徒さんが受付すると、大きな画用紙(A2版)にクレヨンで、
・名前
・普段何してる?
・好きなこと、もの ... を記入していただきました。

そして一人ひとり、その画用紙を持って自己紹介。
好きなこと...では
・ラーメン屋巡り
・一人で飲みに行くこと
仕事が終わって「毎日欠かさずBEERを飲むこと」という女性も  
・落語を聞くこと、ビール
・アウトドア活動
・写真、バスケットボール ...etc

ここで生徒の皆さん、だいぶ緊張が溶け和んできました。
それは皆さんが、趣味や興味に、たくさん共通点を共有できたから。

●第ニ部 「杉浦さんと座談会」
■第一章
  ビームス監修の「Fennica Style Book」に載っている杉浦邸の写真について話していただきました。

・家には土間が欲しかった
それは「地球のエナジーを感じたかった」から。
その土間からは毎年4匹ぐらい、蝉の幼虫が出てきて羽化します。

・自分が住みたい家を手に入れるために、いろいろ探したそうです
安曇野、湯河原、秩父 ... ここでは仕事が通えない。
葉山 ... 立地はよいが、値段が高い

そして、辿り着いた所が「北の鎌倉」とよばれる我孫子でした。
道路の高低差、真っ直ぐでない道路。鳥や花が自然に見られる場所。
地元の大工さんと呑み仲間になり、工務店の社長と仲良くなって、
材料、建具をいただいたり。漆喰は杉浦さん自身で塗ったとのこと。

■第1.5章 「杉浦さんからと、宿題の発表!」
杉浦さんは、新しい発見をした時に「あっ」と思うそうです。
今までに気づかなかったことに気づく。
これが「おもしろい!」ということを教えていただきました。

この授業では宿題がありました
「ちょっとしたことだけど、本当にかっこいいと思ったもの」を
自分なりの視点で挙げてみてください...です。

松井さんが、生徒さんの宿題を抜粋して読み上げてくれました。
・母の日にカーネーションを抱えた坊主頭の高校生。
・コンクリートの隙間から咲いているタンポポ。
・カフェでノートPCを開いている人のマシンが、macbookだった時。
・客室にTVも冷蔵庫もなく、心地よい静けさが漂う東北のとある温泉宿。

回答した方に、解説をしていただき、皆さん納得です。
     
そうだね、それって「かっこいい!」

これは、何かしらギャップ(普通ではないこと)を発見したときに、
「かっこいい!」と感じるのかなと思いました。(みんな、そうだよね!)
この宿題を通して、普段は見過ごしてしまう「かっこいい!もの」探しを
意識してほしいという、松井さんの想い?(意図)があったのですね...

この想いの松井さん、「かっこいい!」

■第ニ章 「水墨画」
都会的な文化の最先端で仕事をしている杉浦さんが
なぜ水墨画を始めたのか?

「水墨画はかっこいい!」と思ったから。
アジア旅行をしたりレイブカルチャーにふれるうちに「ひらめいて」始めたそうです。

その「ひらめきのきっかけ」は、
旅やレイブで知り合った外国人たちが、自国のカルチャーに
アイデンティティを持っていることに衝撃を受け、自分の国の
ことをもっと知らないと!...と思ったという説明がありました。

そして25歳の時に、島田皓紀氏に師事。

早速、水墨画を描いていただきます。
生徒、スタッフ、松井さん、杉浦さんに注目!(シーーーン)
「予想外の緊張で、手が震える」と杉浦さんの一言。
ここで、みんなが笑い... 先生緊張から解き放たれる?

1枚目は、竹の絵を描いていただきました。

そして2枚目は、竹と菊。
菊は、花びらから描き、茎は不自然な方がいいそうです。
花びらの描き方も、2種類を説明しながら完成です。

なんと、3枚目は、山水画を。
杉浦さん、2枚目ぐらいで終わりだと思っていたのを感じましたが
松井さんを筆頭に、全員が水墨画に夢中になってしまったため?

山水画は、マングースの毛の筆が役立つそうです。
そして構図は、山、滝、松。(松は成長と共に形が変化していくそうです)

●第三部 おしゃべりをしながら散歩 「隠れ家カフェ」へ
第ニ部が、1時間オーバーしてしまい、散歩は出来ませんでした。
しかし教室の千駄ヶ谷社会教育館前から、ハチ公バスに乗って
「隠れ家カフェ」最寄の停留場までの「裏バスツアー?」を経験できた
生徒の皆さんは、とっても楽しかったのでは...
バスの中から、外苑西通りを抜けて南青山へ向かうロケーションは
普段は経験できないこと。それって、みんなが未体験ゾーン。

◆「ハチ公バス」とは、
渋谷区内を移動する手段として、みなさんに親しまれ愛される
コミュニティバスです。バスの愛称は渋谷のシンボルとして
親しまれた「ハチ公」がモデルになりました。

「みなさんの足として、気軽にご利用ください!」 by 渋谷区。
100円均一(大人・子ども同額)で、
ICカード乗車券(Suica、PASMO)が利用できます。

そして、お酒を飲みながらの楽しい放課後が始まりました。

●授業『かっこいい暮らし』を振り返って
杉浦先生からは、授業に参加した全員が「気づくのがおもしろい!」を
教えていただきました。
その感じることが「かっこいい」へつながっていくことも...


(ボランティアスタッフ 関根恵一)