シブヤ大学

授業レポート

2009/6/8 UP

「ベランダ農業への第一歩」

野菜を育ててみたい!と若者を中心に少しずつ関心の高まってきている農業。
しかし土地が借りられないなどのハードルから、せっかく心に灯った農業への興味を遠ざけてしまうのはもったいない!そこでこの「ベランダやさい学科」では、そんな人たちのために、初心者向けの手軽にできる野菜作り教室を行っていきます。
ベランダのプランターで育てる野菜。ここから始まる農業もあるのです。

第一回目である今回のテーマは「ゴーヤ」。
4年もベランダでゴーヤを育て続けている、いとうせいこうさん。ゴーヤを育てるもなぜか実がならないという失敗談をお持ちのルーカスB.B.さん。タキイ種苗のゴーヤのスペシャリストでもある通称・きゅうりの木村さんの3人を先生に迎え、ゴーヤ作りのノウハウを学びます。

一見難しそうなゴーヤは、実は育てやすく、またゴーヤを育てられたら大抵のウリ化の野菜は育てられるというほど初心者向けの有難い野菜だと木村さんは言います。
また、青々と伸びるツルは、夏の日陰を作ってくれるだけでなく、水蒸気を出して打ち水効果さえもあると言われているゴーヤはこの時期にピッタリだそう!

そんなゴーヤの作り方を3名の先生の対話形式で授業は始まりました。

<ゴーヤの育て方>
種を蒔き、苗が育ったらプランターに植え変えます。
支柱を立てて、伸びた枝を紐で結わえて成長する方向を決めてあげます。
枝の先を切って栄養を集中させ、雌花が咲いたら受粉をします。
(この受粉の作業をしないと実はなりません!ルーカスさんも納得!)
受粉から15~20日で立派な実がなるそうです。

実際に実演しながら説明してくれるきゅうりの木村さん。最初のトークの時には緊張していたかに見せていた木村さんも、いざ実演になり土を触った途端に生き生きとしてきて、いとうせいこうさんとルーカスさんに茶々を入れられている様子も、会場の笑いを誘います。
失敗談を交えて木村さんにどんどんと質問するいとうせいこうさんとルーカスさんの掛け合いも最高!

そんな掛け合いの中から出た「植物が好きだというのは人間の本心である」というルーカスさんの言葉が印象的でした。人が生きていく糧となる“食”は全て種からできています。そして酸素さえも元は植物からできているんですね。なぜか植物を見ると安心したり、偉大さを感じたり、国によっては植物に対して最も畏敬の念を抱いていたり。それらは全て、人間の本心からなるものなのだということを、先生方はおっしゃっていました。

授業後半には、いとうせいこうさんのプロデュースした食事、「ゴーヤ練込みパンと牛フィレ&ゴーヤサンドミニバーガー」を試食しながら、生徒さんから出る質問に3人の先生が丁寧に答えてくださいました。初めは野菜を育てるなんて難しいかも?と思っていた生徒さんたちも、たくさんの“コツ”を聞いて、気軽に農業を始めようと思えるキッカケになったのではないでしょうか。

皆さんも、夏の暑い日差しの中、ベランダで涼しい緑のカーテンが揺れるのを楽しみに、
ベランダ農業、始めませんか?

(ボランティアスタッフ 嶋村 千夏)