シブヤ大学

授業レポート

2008/12/3 UP

    

「情けは人のためならず」
みなさんはこの意味をきちんと知っていますか?
相手に情けをかけたり、優しくするのは、相手のためではなく自分のためという意味です。

ところで、それって本当に自分のためになるのでしょうか?
合理的で、自分の利益だけ追求して行動する【ゲーム理論】を通じ、それを数学的に解き明かしましょう!というお二人が、笑顔がステキな渡辺先生と、授業コーディネーターの松本パンダ先生です。(何故パンダなのかは、松本さんコーディネートの授業に参加してみてくださいね。)

授業では、こんな例をとって説明がありました。

~コピーライターの二人。
二人には毎月、仕事内容に応じた成果報酬がある。
大事なお客さんだけれど、依頼がズサンA社からの仕事がきた。
今回は連続30回の仕事契約である。~

コピーライターのAさんとBさんが、互いに利益をあげることだけを考えているとき
同じ状況の中で協力した方がいいのか、それとも協力しないで自分の利益だけ考えた方がいいのか。 
それを、実際にゲーム理論をもとにしたワークショップで30回やってみて実験してみると、協力した場合が、一番利益のあがることがわかります。

数学が、とてつもなく苦手なわたし。
けれど、先生たちは数学的理論を、身近な例におきかえて説明してくれるので、とてもわかりやすい。

理論や、数学というと、難解でとっつきにくいイメージがあるけれど、
その根底にあるのは、とってもシンプルなものなのかもしれません。

「情けは人のためならず。」
「目には目を。歯には歯を。」

授業を受けながら、小さい頃に教えられたことを思い出しました。
人に嘘をつかれたくなかったらまず自分が嘘をつかない
約束を守って欲しかったら、まず自分が約束を守る
自分が人にされたくないことは、人にしない…
そんな当たり前で大事なことを、これらのことわざは伝えているのかもしれません。

人は自分を映す鏡だと言います。
わたしたちは、終わりのあるゲームの世界でなく
生きている限り無限に続く時間と関係の中で生きています。

自分が接するように、世界は自分に接するのだと再認識した授業でした。

渡辺先生、松本パンダさん
どうもありがとうございました。

(ボランティアスタッフ 中里 希)