シブヤ大学

授業レポート

2006/9/30 UP

授業レポート

日曜の朝10時30分から始まった授業。1歳半のお子さんから、50代の主婦の方まで、日ごろごみの分別や、ごみの行方に関心がある生徒さんたちが16名集まり、熱心に先生のお話に耳を傾けていました。
 先生は、渋谷区の清掃事務所職員である村山英樹先生。先進諸国の中でも日本はごみ問題に対する企業・民間の意識がやや遅れているとのこと。その遅れを取り戻すべく、区や市町村など、各自治体ごとに行われているごみ問題への取り組みから、街を回る清掃車のしくみ、燃えるごみ・燃えないごみの区別の仕方まで、丁寧に説明をしていただきました。
特に印象に残ったお話は「なぜカン・ビンは洗って捨てるのか」という疑問に対する答え。「洗って捨てないと洗浄するための水代が余計にかかるから」と思いこんでいましたが、実は現場の清掃員に対する配慮からのお願い、とのこと。ビールやリキュール、ジュースなどの飲み残しは、それだけでは大して気になりませんが、大量に集まって混ざると、すごい悪臭を放ってしまうのです。その中で作業をしなければならない清掃員の苦労を考えて、できるだけすすいでから捨ててくださいという先生の言葉に、恥ずかしながら目からウロコでした。また、ペットボトルをつぶして捨てる理由は、各集積所から工場までのトラックでの運搬は、容量でなく体積で運ぶので、つぶさないと空気を沢山運んでロスが出るからという理由が大きいからだそうです。ごみは私たちが捨てた時点でただのごみになるわけではないのですね。
自治体ごとに違うごみの処理法ですが、景気が良ければ量も増えるといったお話や、実は渋谷区の清掃工場から出るダイオキシンの量は都内でも少ないということ、など、これから生活の中でごみを意識する場面が多くなりそうな、充実した授業でした。最後は、生徒さんが持ち込んだお茶のカンなどを取り上げながら、実際の分別法を教えていただきました。分別のポイントは、「“全部分別”ではなく、なるべく“分別”」を心がけること。小さな心がけが、大きな結果につながるそうです。
 村山先生、わたしたちのエコライフに、すてきなアドバイスをありがとうございました!

(シブヤ大学スタッフ)