授業レポート

2018/10/24 UP

ブログ・SNSの○(マル)と×(バツ)
弁護士に聞く!著作権とネットの使い方

「著作権」という言葉を耳にしたとき、みなさんはどんなものをイメージしますか?
私は、映画や音楽、出版などの芸術の世界の話だと思っていました。
でも、私がこうして書いている文章にも著作権は発生しているのです。
つまり、著作権は著名人が作成したものでなくても、特別な芸術性がなくても、著作物を作成すると、自然に発生するものなのです。

InstagramやTwitter、FacebookなどSNSと日常的に関わる機会の多い私たち、著作権をどこまで意識して生活しているでしょうか。
実は知らず知らずのうちに、危険な投稿をしているかもしれません。

では、どうすれば著作権とうまく付き合っていけるのでしょうか?
今回のまちの先生、「弁護士の唐津真美さん」にお話をうかがいました。



キリッとしたスーツ姿と、フンワリした笑顔の唐津先生。弁護士さんはお堅い感じで話にくい印象がありましたが、とても優しそうです。
今回の授業は先生が用意された○×クイズに参加者がチャレンジし、その後一つ一つに解説をしていだきました。

9問のクイズの中で私が特に印象に残ったものを引用して記載します。

Q4引用について正しいものは?
1.自分の文章と区別して、引用箇所にカッコや囲みをつければ大丈夫
2.引用元がわかるように、URLや書籍名などを明記すれば大丈夫
3.引用部分が全体の30%以下なら大丈夫

この質問の答えはすべて「×」です。どれか1つの条件をクリアしていても、それだけでは正しい“引用”としては認められません。
引用元を明記していれば問題ないと認識していた私はかなり驚きました。
ただ、以下の条件を満たしていれば、著作権者の承諾なしに“引用”することができ、著作権侵害になりません。

1.引用元がすでに公表されている作品であること
2.自分の作品と引用箇所に明確な区別があること
3.自分の作品が中心で引用箇所はその一部という主従関係があること
4.自分の作品と引用箇所の間に関連性があり、引用の必要性が認められること
5.引用元の作品の題名、著作者名、URL、書籍名など、出典が明記されていること

引用は、著作権の例外規定(著作権者の権利が制限される場合)の代表的なものなのです。

そのほかにもSNSで自分が買った商品を撮影してアップするのも、被写体のデザインの使用が著作権の侵害になる可能性があります。
とはいえ、権利者としても、個人レベルでアップしているものをひとつひとつ訴えていくことはできませんし、「インスタ映え」という言葉が広く浸透し、SNSから商品に火がつくケースも多くでてきているので、権利者が著作権侵害にあたる投稿をあえて放置しておくこともあります。でも、安心してSNSを使いこなすためには、何が著作権侵害にあたるのか理解しておくことが重要です。
また、ブログやSNS上への様々な投稿は、著作権法に触れなくても別の法律に触れる可能性があり、とても奥が深いものでした。



最後に最近のトラブル事例と参加者からの質問を受けて授業は終了となりました。

最近のトラブル事例としては、イラストを無断転載した人に30万円の損害賠償が命じられた裁判の話や、仕事の担当者への不満を述べたSNSの投稿をきっかけに、多くの人がその担当者を特定して個人情報をアップするといういわゆる「ネット私刑」が活発化した話。
そして、悪ふざけによる投稿が結果的に店に対する深刻な営業妨害になった話など。

誰かを傷つけたり、迷惑をかける行為は、単にマナーやモラルの話にとどまらず、法律上も実際に違法になる場合も多いということです。

参加者からも仕事柄クライアントとのやりとりで生じる、トラブル事例の話など、たくさんの質問がありました。
でも、どの質問にも共通することは、きちんと知識と誠実さをもって対応することが大切だということ。これは、トラブルになりかけた時に大炎上を避けるためにも重要です。
また状況が違えば取るべき対応も変わるので、わからないことは早目に相談をすることが大切だと思いました。

今回の授業を受けて私が感じたことは、「著作権の侵害は日常的におきているということ」

例えば、漫画や小説が無料で読めるようになったり、見逃した番組がYouTubeにアップされるので、私たちの生活はとても便利になりました。
でも、違法に作られたサイトもあり、本来購入したり、視聴したことで製作者に払われるべき報酬が支払われず、新しい「なにか」が生まれる環境を壊してしまっている可能性もあるのです。苦労して生み出したものに値段がつかなければ、クリエイターは生まれてこないかもしれません。たったひとつのアクションですが、考えるととても怖いことのように思いました。

「ダレの目で、ドコをみるのか」

自分の軽率な行動で迷惑がかかる人、嫌な想いをする人がいることを意識できれば、素晴らしい音楽や芸術が生まれるチャンスが増えるかもしれません。
たくさんの「いいね」よりも、自分自身の「いいな」が広がる行動をしていきたいと思います。



(レポート:伊藤扶美子、写真:大森由紀子)