シブヤ大学

授業レポート

2018/8/2 UP

【3回連続授業】自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり”2018”(第三回)

2014年から始まり今回で5回目となった手縫いの浴衣づくり。今年も、和裁士タミカ先生とアシスタントのあや先生をお迎えして、8名の生徒さんと開催しました。反物選びからはじまり、自分の寸法に裁断して自ら手縫いして仕上げる全5回(授業3回、補講2回)の連続授業。ついに最終回を迎えました。

体温を超える気温を記録した異常に暑い土曜日。汗だくで会場に集まるなり、宿題で縫ってきた部分を見せあったり、着付をするときの帯の話をしたり、早速盛り上がっていました。完成が見えてきているからか、みなさんの表情はとても誇らしげに見えました。自分にではなく娘さんにつくっていらっしゃる方、練習のために一反購入して家でもう一枚つくられている方、この授業で3回目というリピーターの方、普段針を使うことも少ない方、動機や経験はそれぞれですが、浴衣づくりを通してご縁が広がっています。

最終回の授業目標は、衿(えり)の完成と閂止め(かんぬきどめ)。閂止めとは、ほつれないように補強する和裁の縫い方のひとつです。

授業は、宿題の確認から始まりました。それぞれの進捗状況を確認しながら、先生が丁寧にひとつづつ指導して下さいます。先生直筆のテキストで衿付けの説明が始まると、みなさんそれぞれメモを取りながらで、和裁の用語にも随分慣れた様子で熱心に聞き入っています。先生のお手本実演も一挙手一投足を真剣なまなざしで見つめています。そして、それぞれ自分の浴衣に向かい、ちくちくと針を進めていきました。顔を合わせる回数が多い授業ということもあり、終始和気あいあいとした空気の中で、時間が過ぎていきました。

衿付けができた人から、閂止めに挑戦です。脇や袖などつなぎの部分に6箇所行います。先生はささっと指と動かして簡単そうにされているのに、実際にやってみると頭には???の文字が…。先生に何度も伺う方もいましたが、優しく教えて下さるので、みなさん習得されたようでした。玉止めを縫込みの中に入れ込んで表からも裏からも見えないようにするなど、より仕上がりが美しくなるちょっとしたコツも伝授くださいました。

時間との勝負をしながら、先生のサポートもあって、なんとかみなさん形になりました。仕上げにもう少し時間が必要な方には個別に対応するということで、授業は無事終了しました。そして、着付タイム。自分でつくった浴衣を自分で着られるようになりたいと、着付にも興味を示されています。

「やっぱり嬉しいですよね」と仰るみなさんの笑顔は達成感に溢れ、灼熱の太陽以上に輝いていました。この夏が一層楽しくなりそうです!


(レポート:山下裕子、写真:山下裕子&佐藤隆俊)