シブヤ大学

授業レポート

2018/7/30 UP

【3回連続授業】自分で縫い上げる~この夏の浴衣づくり”2018”(第二回)

6月なのにもう梅雨が明けて、例年よりも早く夏がやってきました。
うだるような夏の暑さの中でも、浴衣姿のタミカ先生・あや先生の周りには、涼しげな風が吹いているようです。

この日は3回連続浴衣づくり授業の第2回目。
第1回は、反物の生地を選び、一人ひとりの採寸表をもとに、布に印をつけ、裁ちました。
今回は、脇、おくみ、袖を中心に縫っていきます。

●自己紹介・宿題
まずは参加者一人ひとりが自己紹介をし、前回の宿題について話しました。
第1回目の授業のあとすぐに宿題を済ませたという人が多かった中で、時間を決めて毎日コツコツ進めていった人や、土壇場で時間が足りなくなり、会社に持参してお昼時間に進めり、夜なべをして仕上げたという人もいました。
全員がきちんと宿題を仕上げてきたのは、さすがです。

●まずは、運針練習。
毎回縫い始める前に、指慣らしをしてから手縫いに臨みます。アスリートのようですね。
針は動かさずに生地を上下に動かして、ひと針ずつ進めていく縫い方。
洋裁は針を動かし、和裁は布を動かすのだそう。
和裁の基本は直線縫いなので、まっすぐ縫っていくこの運針法を身に着けると、縫う時間が格段に早くなるそうです。

●背縫い・脇縫いに「きせ」をかける 
今回キーワードとなる言葉は、「きせ」、「くけ」、「おくみ」の3つ。
「きせをかける」とは縫った所を折ってアイロンをあてること。
背縫いと脇縫いのところに和裁用の電気ごてをあてていきます。

●前巾、肩巾の印をつける
すそからみやつ口の印のところまで前巾印を5か所付けます。

●おくみを裁断し、印をつける
「おくみ」とは、前身頃についた細幅の布の部分を指します。
すそからみやつ口まで 、上がるごとに5ミリずつ細くしていき、こてとチャコペンでチェックします。

●おくみを「くけ」る
布端を表に少ししか縫い目が見えない様に 縫うことを「くける」といいます。
縫っても表から見ると糸はほとんど見えません。くけ縫いを実践する先生の手元に、みんなで注目します。
おくみにえり下の印をつけその箇所をくけていきます。

作業工程が進むにしたがって覚えることが増えていくため、みなさん先生の説明を聞き漏らすまいと一生懸命。途中で分からなくなった時にも、近くの人同士で協力し合って、針を進めていきます。

途中で休憩時間を設けて、ひと息入れました。
さて、リフレッシュをした後は、もうひと踏ん張り。

●おくみを「縫う」
すそからえり下まで半分に折ります。ここも5ミリずつ小さくなっていくようにします。
縫い方が少し複雑なおくみの部分。先生は説明をしたあと、一人ひとりの状況を見てアドバイスをしていきます。参加者たちも互いに助け合って、作業を進めていきます。
縫う時間になると、誰もが黙々と作業に集中します。この時に、最初に行った運針法が活かされますね。

「袖」もつくる前に、胴体の部分と袖の部分の柄の合わせ方を考えます。シンプルな連続柄は必要ありませんが、花柄などは柄合わせが必要。柄の合わせ方次第で、浴衣の印象もがらりと変わるため、先生のアドバイスをもとに、バランスを考えます。
柄合わせのあとで、コテで生地に折り目を付けて、袖を縫い上げていきます。

始めは1枚の反物だったものが、少しずつ浴衣らしくなってきました。形が見えてくると励みになりますね。ますます運針に熱が入ります。

●すそをくける・きせをかける
今回のキーワードの一つ「きせ」。
「きせをかける」とは縫った所を折ってアイロンをあてること を指します。
和裁のアイロンは電気ゴテ。電気で熱された鉄ゴテで、生地に折り目をつけます。
おくみ側の方に向かって外側にきせをかけて、縫いしろを耳ぐけします。

●宿題 
めいめいが作業に没頭している間に、授業終了時間をかなり過ぎていました。
次回までの宿題は、おくみをつけて、すそ、耳ぐけもやってくること。
その間には補講もあり、メールなどで先生のサポートを受けることもできます。
作成中の浴衣を手に持って記念撮影し、第2回目もわきあいあいと終了しました。

いよいよ次回は最終授業。みなさん、どんな浴衣が仕上がるのでしょう。
完成した浴衣の披露会も行われるため、「この浴衣に、どんな帯を合わせようかしら」と、みなさんワクワクと考えていました。

世界に一着しかない、自分だけの浴衣の完成まで、あともうひと踏ん張り。
最終回が、楽しみです。


(レポート・写真:小野寺理香)