シブヤ大学

授業レポート

2006/9/28 UP

脱・官僚宣言。「型破りでいいですか?」 授業レポート

まずは英敬さんの自己紹介から始まった授業。本名は鈴木英敬(ひでたか)さんですが、経済産業省の中でも鈴木さんがいっぱい!覚えやすくということで“えいけい”さんと呼んで欲しいという事だったので、レポートにも“えいけいさん”と書かせて頂きます。
 尊敬する人は坂本竜馬。現在32歳で、WBCで優勝した時のイチローさんが32歳、又、尊敬する坂本竜馬が薩長同盟を組んだのも32歳だったという事等を例に挙げ、人間、志と年齢は関係ないのだと熱く語って下さいました。若いからとか年をとっているからとか思うのではなく、動かなければ何も始まらない…その通りですよね。何事も諦めた時点で終わりなのかもしれません。
 「公務員になったきっかけ」の中で、通産省での前田泰広さんとの出会いが大きかったこと、就職活動の際に、民間企業の面接でも公務員の官庁訪問でも自分が何をしたいか、自分に何が出来るか、自分の「軸」というものを大切にしたということ、そして様々なキャラクターの揃った同期との出会いの中で色々な刺激を受けたというお話を伺う中で、自分と違った考え方を持つ周囲の人から刺激を受けつつも、自分の「軸」というものをもち続ける事が次へ、未来へ進むためにはとても重要な事なのかもしれないと感じました。
 最近よくニュースで耳にする「行政改革」という言葉。私自身は、はっきりと理解出来ていませんでした。が、なるほど~!と納得するようなお話がありました。昔バーモントカレーのCMで流れていた「おせちもいいけど、カレーもね!」というフレーズ。それはつまり正月におせち料理に飽きてカレーを食べたいと思っていても、カレー屋さんは閉まっている。だからバーモントカレーをどうぞ!ということだそうで、政治家(えいけいさんは政治家ではありませんが…)は政策を提供するだけではなく、国民のニーズに答えてそれを提供するのが行政改革なのだと、えいけいさんが多大な影響を受けた前田さんに教えて頂いたそうです。確かに、押しつけてばかりで本当は大事な相手の要求や希望が見えなくなってしまっている、そんな状況が世の中にどれほどあるのでしょうか。それは政治の世界だけではないと思います。
 又、えいけいさんが語って下さった「こんな国や社会をみんなで作ろう!」という夢。その中で私が一番印象に残っているのが「自分」「他人」を心底信じられる、認め合える社会に、そして自分の「家族」「地域」「国」を「大好きだ」と胸を張って言える社会をというお話。色々な犯罪がいつどこで起こるかわからない、いつ自分が、家族が被害者或いは加害者になるかわからないと言われる昨今、私の周囲にいる子どもを持つ親御さんは子どもたちに相手を「信じろ」と言っていいのか、「疑え」と言えばいいのかわからない、と悩んでいる方も多くいらっしゃるのが現実です。まずは一人一人が自分を大切にすること、それが家族や周りの人々、自分の住む場所や日本そのものを愛する力に繋がっていくということなのだと思いました。
誰しも多かれ少なかれ今の状況を変えたいと思っていると思います。えいけいさん曰く、「できる人とできない人の区別はない。あるのはやる人とやらない人だけだ」と。自分を変えたい。人を変えたい。国を変えたい。物事の大小に関わらず、それを実現するにはまず自分や周りの現状を知り、次に進む第一歩をためらわずに歩き出すこと、それが何よりも必要な事なのかもしれないですね。
 「何事も一人だけでできるものはない。物事が大きくなればなるほど志ある人をつないで、その人たちが大きな事を成し遂げることができるようにサポート」してくれるであろう“官”の一人、えいけいさんを信じ、えいけいさんのような熱い想いを持つ方が公務員に、政治家に増えることを期待しながら、国民の一人である私もまずは自分に出来る小さな事からでも「国民の一人ひとりが国を想える人になる社会作り」に参加していきたいなと心から思いました。
 最後になりましたが政治の事が全くと言っていいほど分からない私にも解りやすく、楽しい授業をありがとうございました。「さるでもわかるおもしろ授業」でした!!
( ボランティアスタッフ 森川 祐美子 )