シブヤ大学

授業レポート

2006/9/11 UP

シブヤ大学 9月2日授業レポート

1. 開校式
今日ついに開校したシブヤ大学。学校の開校に立ち会うなんて一生に一度あるかないかの体験です。
この日を一番待ち望んでいたのは、もちろん左京学長でしょう。だからこそなのか、開校の挨拶では、がちがちに緊張していました。5分の予定が20分。うまく話せてはいなかったけれど「この街で共に学びたい」という熱い想いが伝わってきました。
今はまだ、僕たち生徒のお兄さんのような学長だけど、シブヤ大学の成長、生徒たちの成長と共に左京学長も学長らしくなっていくのだろうと想像してみました。

2. 1限目 「子供の教育、大人の共育」
キンコンカンコーン。起立、礼、着席。
シブヤ大学最初の授業は、チャイムがなって挨拶もしました。本格的に学校なんですね。
1限目は、乙武先生、本城先生、左京学長による「教育・共育」の授業。
3人とも、異業種から教育の世界に転身された方。この世界へ進む動機は共通していて、乙武先生は、親や教師や先輩などから受けた恩を、自分より若い世代、子供たちのために返していこうと考えていて、本城先生はそれを父親から言われてきた「バトンリレー」という言葉で話してくれました。
この授業のテーマは大人の共育。子供たちを教育するだけでなく、大人も共に学ぶという考え。乙武先生は「子供たちに、将来のために勉強しろと言っても、大人がまず楽しい人生を、子供たちに見せてあげなければ、子供は大人になろうとさえしない。」とおっしゃいました。本城先生は、「0.9・1.0・1.1」という表現で、大人も少しづつ成長していくことの大切さを話してくれました。「普段の1日のがんばりを1.0として、1.1が10日続けば何十倍にも成長できる。0.9や0.8の日があっても良いけれど1.1を意識して暮らせば成長していける。」この話を聞いて、僕らはシブヤ大学で共育をしていくんだと、実感しました。
休み時間、会場内を見渡すと、他の生徒たちも満足げな表情でした。生徒たちの学びへの意識が高まったのなら、初回の授業は大成功ですね。

3. 2限目 「経済活動が未来にできること」
教育の次は経済。難しい授業が続くけど2限目の先生も個性的でパワーがあふれていました。
物を作る、物を売る、仕事をする、お金を稼ぐという経済活動の中で、未来のため地球のためにできること、やるべきことを野中先生は考えていました。
「ただ便利だったり効率的なだけじゃなく、良い技術を使うからには、私たちにとってだけでなく、地球にとってもあったら良いなを実現したい。それじゃなきゃ何のために商品を作っているかわからなくなってしまう。」「売ることやお金を稼ぐことが目的ではなく、その商品がどんな幸せを作れるかを想像したいし創造したい。」こんな言葉で経済活動の未来への姿を語ってくれました。野中先生の言葉で、僕も働くことの意味と大切さを探していきたいと思いました。

4. 3限目 「今日、僕らが何を選ぶかで未来が変わる」
ap bank dialogue inシブヤ大学 シブヤ大学とap bankのコラボレーション授業。
環境の授業、お金の使い方の授業。3人の話は僕らに今まで知らなかった知識をたくさんくれました。
大橋先生が話してくれたレジ袋の話。「日本で1年間に使われるレジ袋の数は300億枚。大型タンカー2台分もの石油が使われているんです。でも一人の人が1週間に1枚断るだけでも40億枚の削減につながるんですよ。」
ビーチの話「サーフィンのできるビーチの数が減っているみたいです。地球の気温が1度上がると海面は60~100cm上昇して、このままだと2100年には世界のビーチの90%がなくなってしまう。」
小林先生の旅行の話「夏休み岩手の村へ、自然体験のキャンプ体験に行ってきた。海外旅行も良いけれど、そんな余暇の過ごし方もいい。」これも、何を選ぶかということ。
僕たちが知識を得るのと同じように3人の先生方も、お互いの話の中で新しいことを吸収しているのを感じました。こうやって一人一人の知識を伝え合うことで、全体の意識が変わっていくことにつながるんですね。
「どうせお金を使うなら、気持ちいい使い方をしようよ。」
自分が何かを買うこと選ぶことで、世の中がチョットでも良くなるのは、素敵なことですね。
(ボランティアスタッフ 竹田 芳幸)


写真:田尻美緒 さん/参加者インタビュー・写真:増沢 輝さん