澤登久雄
社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院地域ささえあいセンター センター長
2018年11月5日(火)19時〜21時 ヒカリエ8F COURT
社会医療法人財団 仁医会 牧田総合病院地域ささえあいセンター センター長
渋谷区笹塚・幡ヶ谷地域包括センター
ファシリテーター
シブヤ大学学長
ファシリテーター
編集者/プロジェクトエディター/デザインプロデューサー
第16回目の都市想像会議は、大田区の澤登久雄さん(社会医療法人財団・仁医会牧田総合病院地域ささえあいセンターセンター長)と、渋谷区の久万美帆子さん(渋谷区笹塚・幡ヶ谷地域包括センター勤務・現在町田市に転務)に来ていただき、地域包括支援とはどのようなものか、そしてそこにある課題や未来について話し合いました。
地域包括支援センターは、40歳以上の特定の疾患を持った方や65歳以上の方に対応した総合相談窓口で、月500〜600件という膨大な相談に対応しているそうです。しかし、単なる窓口業務だけでは、「本当に支援が必要な人に届いていないのではないか」と澤登さんは述べています。少ない人数で個々人の多様な問題を対処療法的に解決していくことで精一杯な包括も少なくはないそうです。「対応が遅れたりSOSが出せない人に気づけなかったりと、取りこぼしがでてきてしまいがち」だと久万さんも述べています。
これまでの会議でも話されたように、澤登さんも「専門職による“対応のネットワーク”と異変に気づく“気づきのネットワーク”の二つのネットワークが必要」であり「二つのネットワークが交わること」だと指摘しています。そのための「潤滑油がみまーも」なのだと澤登さんは言います。澤登さんたちと大田区が導入した「みまーも」は、高齢者が日常的に地域包括支援センターと繋がり、いざという時にしっかり支援できるような基盤であり、さらに日常的な住民同士の付き合いを強化するような場づくりの取り組みでもあり、少しずつ全国に広がりつつあります。
重要なのは「みまーも」は地域包括支援センターの事業ではなく、任意団体として活動を広げていることだろうと思います。地域の会社の協賛を得て、そうした会社が企画する住民向けイベントの開催やスペースの確保、住民サポーター組織などを重ねていくことで「みまーも」の活動は地域に広がり、澤登さんは最近新たに、高齢者のみならず親子を含めた全世代の居場所としての「おおもり語らいの駅」も立ち上げています。これも、地域包括支援センターではなく、センターの母体となっている病院が主体となっています。