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だからこそ、「子どもたちがそういうしがらみから自由になれる遊び場を整えていかなければならない」と渋谷の遊び場を考える会の入江さんは強くおっしゃっていました。そのためには、親や周囲の大人にも遊ぶことの大切さ、それを見守ることを理解してもらうことが必要になってきます。親心からすると怪我や失敗をして欲しくないという気持ち先行してしまい、型にはまった遊びやアドバイスをしたくなりますが、子ども自身が経験し、自ら育つことができる状況を、大人が子どもに保証してあげることが、いまや必要な時代なのです。

都市想像会議第九回「子どもの遊び×都市」会場の皆さん

プレーパークや冒険遊び場でそうした大人の役割を担っているのがプレーリーダーと呼ばれる人たちです。彼らはプレーパークに常駐して子どもたちに寄り添い、子どもの遊びをサポートする専門家です。TOKKYO PLAYではさらに、専門家以外のまちの人々たちの役割を増やし、「まちなかで子どもの遊ぶ姿って良いね」と思ってくれるようにしたいと言います。地域の中で子どもが育っていくようにする、それが地域の関係を変えていくと考えているからです。実際に、TOKYO PLAYが行っている「とうきょうご近所みちあそび」では、子どもたちが道で遊んでいる姿をみるとの人の姿勢が変っていくのだそうです。

プレーパークの運営を行う市民の活動、行政の関わり方、海外の遊び場事情など、話題は多岐に渡り盛り上がりましたが、最後に、渋谷区が今年から始めた「おとなりサンデー」と「みちあそび」を組み合わせられないかという提案と、渋谷区にもうひとつプレーパークをつくる計画を立てたい、という新たなふたつの議題が出てきたところで時間切れとなりました。これらの提案は改めて討議する場が設けられることになりそうで楽しみです。
(text : Mai Utsugi)

都市想像会議第九回「子どもの遊び×都市」記念撮影