シブヤ大学

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キャンパスライフ

イラスト
大谷紀子さん

FILE.10

大谷紀子さん

(シブヤ大学学生、ココロゼミ生)

“「お母さん行ってくれば」と
背中を押され参加したシブヤ大学。
一歩踏み出してみると何かがあるって、
素敵なことだと思います。”

シブヤ大学へときどき生徒として参加している主婦の大谷紀子さん。しかし以前は、家と周辺の世界からあまり外へ出ていかなかったと言います。家族に後押しされ、勇気を出して参加したココロゼミやツーリズム。そこで彼女が経験したこと、感じたことをお聞きしました。

Q:

シブヤ大学に関わるようになったきっかけはなんですか?

大谷:

s-otani2.jpg シブヤ大学学長の左京さんが以前に関わっていた「ラーニーバード」という朝の勉強会があるんですが、そこに息子が参加していて、シブヤ大学のことも彼から何度か聞いていたんです。でも、そのときは私自身まだシブヤ大学に興味がなかったし、よくわからなかったんだけど、ラーニーバードの参加者達が、家に遊びに来るようになってきて、秋山恵子ちゃんに出会ったんですね。彼女からココロゼミという、緩和ケアに関するゼミを立ち上げる予定だという話を聞いて、シブヤ大学が気になり始めました。
実は、私たち家族は主人を在宅で看取っていたので、緩和ケアはとても身近な話題だったんです。そんなことがあって、彼女がゼミの出演をお願いしてきてくださったんだけど、シブヤ大学は若い人ばかりで、自分は馴染めないと思っていたから、正直、ちゅうちょしていたんですね。結局、彼女の熱心な説得のおかげでココロゼミの第二回目には息子が、第三回目には私が、ゲストとして自分の経験を話すことになりました。これがシブヤ大学に参加するようになる最初のきっかけでした。

Q:

ココロゼミで話されてどうでしたか?

大谷:

s-otani3.jpg 皆さん一生懸命聞いてくれたし、いろいろ感じようとしてくれたから、興味があって学ぼうとしている感じがすごくしました。末期がんの家族を看取った経験は、私にとっては日常の一部と言うか、他の思い出と自然につながっていることなんです。でも、皆さんは新鮮な気持ちで話を真剣に聞いてくれました。それが嬉しかったです。
ゼミに出るのは主人の話をする一回だけのつもりでした。人の心やコミュニケーションという、身近なテーマを扱うゼミの活動に興味をひかれたんですが、やっぱり年の離れた人たちばかりだし、私は邪魔なんじゃないかな?って思ったんです。そうしたら息子に、その考えは良くないとか、「お母さん行けば」って背中を押されまして。そうなのかなぁ、私も行きますって言っちゃえば良いのかなと、あれこれ迷った挙句、次の回はゼミ生の一人として思い切って参加しました。
ゼミの皆さんは壁を作らずに受け入れる心が広い方たちでしたから、なんとなく輪の中にいることができて、今もゼミ生を続けることができています。 ゼミは自分の勉強になるってことももちろんだけど、若い人たちが何かを一生懸命やっている場に一緒にいるっていうのが、私はすごく嬉しいです。それにココロゼミは、回を重ねるうちにだんだん和気あいあいとしてきて、良い関係が出来てきました。私たち自身の関係の変化からも、人が仲良くなるっていうのはどういうことかを考えるきっかけにもなりました。
家から出ずにじっとしていたら、新しい人には出会えないですし、自分をさらけださないと友達もできない。今まで考えずに自然としてきた人との関係づくりを、この年になって改めて勉強させてもらっている気がします。

Q:

その後シブヤ大学には参加されましたか?

大谷:

otani4.jpg 先日の瀬戸内海のツーリズムに参加しました。 プログラムを見たときに、行きたいって思ったんです。でも、知り合いもいないし年の離れた人たちばかりだろうなと思い、参加するか迷いました。 でも、ここでも息子に、「お母さん行ってくれば」って言われまして(笑) その言葉は私にとってなんとなく力強くて、「じゃぁ行っちゃえ」って結局申し込みボタンをクリックしちゃったんです。
でも実際に行ってみたら、参加者や現地の方々も壁を作らない人ばかりでした。このプログラムには、古民家の囲炉裏で魚を焼いて食べたり、みんなで雑魚寝するっていうのもあったんですよ。こんな年になってからでも、こういう貴重な体験ができるとは思ってもみなかったからとても楽しかった。だから、一歩踏み出してみると、楽しいこともあるんだなぁって気付かされました。

Q:

シブヤ大学での経験を通じ、どんなことを思いますか?

大谷:

otani5.jpg やっぱり、世界が少し広がったんじゃないかしら。授業やゼミに参加してから、思い切って外に出れば何かがあるっていうことを学ばせてもらいました。自分が今まで持ってなかった勇気を、シブヤ大学にちょっと引き出してもらったっていうのかな。それがとても嬉しいです。
それに、若い人たちがシブヤ大学で頑張っているのはいいわよね。みんなを巻き込んで、いろんな活動をしていくことをすごく応援したい。そんなみんなが大人になっていく話を、少しでも聞けたらとても嬉しい。「誰々さんが結婚するの」とか、「だれだれさんに子どもが生まれたの!」とかね。私は「何やってるの?」とか聞いて「良かったね」って言うくらいで、積極的なことは何もできないんだけど、そういうサポーター的な人間もいてもいいんじゃない?って思っています。

プロフィール:大谷紀子さん(おおたにのりこ)

群馬県出身 目白在住 大学卒業後たった一年のOL生活を経て結婚、その後は専業主婦一筋。7年前夫を家で看取った後、はじめて中学校の英語講師として6年間勤め、今春再び専業主婦に。犬と二人暮らし。息子二人、孫一人。いつか親子三代でシブヤ大学に参加したい。

(2009/08/19 | インタビュー 岸野宏子 | 撮影 星川健太 他)

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