シブヤ大学

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キャンパスライフ

イラスト
新谷比佐さん

FILE.9

新谷比佐さん

(恵比寿キャンパス 授業コーディネーター)

“住んでいる人、遊びに来た人、
それぞれの立場で感じる魅力が交わることで
恵比寿の街はもっともっと面白くなる”

2009年2月にオープンした恵比寿キャンパスにて、娘の佐知子さんと一緒に授業コーディネーターを務める新谷比佐さん。恵比寿在住歴は36年、恵比寿の駅前で長い間お店に立ち、PTAの副会長も務めるなど、以前から恵比寿の街に根差した暮らしをしています。そんな新谷さんがシブヤ大学に関わるようになって感じることを伺いました。

Q:

シブヤ大学に関わることになったきっかけは?

新谷:

mDSC_6264.jpg 私の娘がね、シブヤ大学スタッフの近藤ナオさんと仕事の関係で知り合いだったの。シブヤ大学の開校前からだから、ずいぶん長いお付き合いになるわね。そこで、恵比寿キャンパスの立ち上げの際に、「地域に根差した取り組みを行いたいので、一緒にやってみませんか?」と声をかけていただいたことがきっかけでした。
シブヤ大学は誰でも学べる、いろんな年代や立場の人が参加できるというところがすごくいいと思う。娘が小学生の時に、広尾小学校の合唱団に入っていて、歌を通じて北京の子どもたちと国際交流をさせようっていう取り組みをしたことがあるのね。それが、子どもにとっても、親にとってもすごくいい経験になったな、と思ってて。普段とは違う環境に身を置いて、国を超えて人と人とが交流することで、子どもたちが何かをつかみ、刺激を受け成長する。普段だったら親に甘えっぱなしの子が、自分のことは自分でするようになったり、お母さん同士も寄付金を集めるために地域の人にお願いに回ったりする中で、何かしらの変化があった。
シブヤ大学の恵比寿キャンパスができることも、普段なかなか接する機会のない人同士が交わるいいきっかけになると思った。たとえば、街に遊びに来る人と、長い間街に住んでいる人同士の交流の場をつくることで、これまで気づかなかった恵比寿の魅力に光が当たったり、文化の風が吹いたらいいな、と思ったの。

Q:

新谷さんからみた恵比寿の街の魅力とは?

新谷:

R0010750.JPG 私、「恵比寿に住んでます」って言うと、「恵比寿って住める街なんですか?」とか、「おしゃれですねー!」ってよく言われるの。でも、そう言われた時には、いつも「普通に暮らしてます。全然おしゃれなんかじゃないですよ」って答えてる。
私が恵比寿に住み始めたころは、ガーデンプレイスみたいな高いビルもなかったし、街にあるのはもっと小さい個人商店ばっかりだったの。八百屋さんで買い物して、帰りにお米屋さんに寄ったら、「重そうだね!野菜もお米と一緒に家まで届けてやるから置いてきなよ!」って言っても今みたいなおしゃれなイメージになったのは、ガーデンプレイスやアトレなんかが出来てからだから、意外に最近のことなの。
ただ、今でも駅前には商店街があるし、町内会の活動とか伝統行事なんかもしっかり残ってる。ご近所同士で、「今日○○さんとこのお店のシャッター閉まってたけど、どうかしたの?」「おばあちゃんの体調良くないらしいよ」とかって会話が普通にあるし、そういうつながりがあると子どもを育てるにもいいし、安心して暮らせると思う。そんな昔ながらの良さと、新しいおしゃれなスポットとかが共存してるのが、恵比寿の街の大きな魅力ね。
ただ、昔ながらの庶民的な恵比寿と、新しいおしゃれな恵比寿、両方とも恵比寿の魅力なんだけど、なんとなくその二つの間には垣根があるような気がする。「おしゃれ」な恵比寿に遊びに来る人は、昔ながらの良さを知らないし、長く恵比寿に住んでいる人は、新しいものに対してちょっと排他的だったり......。長く住んでいる人って、本当に恵比寿に愛着を持ってるし、地域の良さや伝統を守ろうと一生懸命。古いものを大切にしながら、新しいものもうまく取り入れていかなければ、と思ってるけど、どうしていいかわからないっていう人も多いんじゃないかな、と思うの。
住んでいる人側の私がシブヤ大学に関わることで、長く地域で暮らす人と、新しく入ってきた人、遊びに来る人をつないで、その垣根を低くしていけるんじゃないかな、と思った。

Q:

実際にシブヤ大学の活動に関ってみてどうでしたか?

新谷:

bon-odori.jpg 先日の盆踊りの授業は、より地域に根差した授業を!ってことで企画をしたのだけど、その垣根を少し低くできたのではないかと思ったわね。恵比寿に長く住んでる方に先生になっていただいたんだけど、「久しぶりにあんなに若い人たちに教えて楽しかった!」って喜んでもらえたし。町内会の人とかにも「今度盆踊りやるんだってね」とか、「来年はやぐらの上で踊れるといいね」って声かけてもらえるようになった。けっこう地域の人も、シブヤ大学に興味を持ってくれてるな、と感じたわね。参加した生徒さんも、おしゃれの街、グルメの街だけじゃない恵比寿を垣間見れたんじゃないかしら。
実際に今年の7月31日、8月1日の「恵比寿駅前盆踊り大会」には、生徒さんの有志とシブヤ大学のスタッフとかで参加する予定なんだけど、その時はもっともっと地元の人と、生徒さんとか外から来た人が交わる機会になるんじゃないかなーと思ってて、すごく楽しみ。

Q:

恵比寿キャンパスで今後やってみたいことや目指していることは何ですか?

新谷:

R0010746.jpg 恵比寿でも隣人祭りとか、やってみたいわね。恵比寿は、お年寄りも多く住んでる街だし、そこを若い人とかとうまくつなげられたら面白いな、と思う。私自身もシブヤ大学に関わるようになって、ボランティアスタッフの方たちとか、若い人と接する機会が格段に増えたのね。みんなの頑張っている姿を見ると、私自身もいい活力になり、自分にない発想とか視点とか、学ばせてもらってるなぁ、と思うことが本当に多い。だから、きっと地域の人にとっても、新しい人たちと触れ合うことはいい刺激になると思う。恵比寿に住んでいる人、遊びに来た人、もっと幅広い年代やいろんな立場の人が、交じり合って、いい意味での刺激を与え合えるような恵比寿の街になればいい。さっき垣根って言ったけど、今はちょうどシブヤ大学がパイプ役として橋渡しをして、その垣根をなくしていっている途中なんだと思う。最終的には、パイプ役なんていらないようになるのが理想ね。
町内会や地域の人もシブヤ大学の取り組みに協力的になってきているし、アトレさんやガーデンプレイスさんとか、企業の方も一緒に地域を盛り上げたい!って言ってくれてるの。だから、今後の恵比寿キャンパスが本当に楽しみ。シブヤ大学ができたことで、住んでいる人、遊びに来る人、みんなにとって、もっともっと自慢できる恵比寿になればいいな、と思ってます。

プロフィール:新谷比佐さん(しんたにひさ)

恵比寿在住。以前は木綿店の店主、現在は有限会社MOVEのデザイン相談所プラットフォーム店舗マネージャーとして、恵比寿駅前にある店舗に25年以上立つ。とにかく人が好き、人と人とをつなげるのが好き。だから商売が好きなんですよね、とは本人の弁。

(2009/07/31 | インタビュー平賀未央|撮影oyabin SATO 親瓶さとう、他)

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