シブヤ大学

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西村信子さん

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西村信子さん

(シブヤ大学学生、シブヤ補講)

“外国人も普通に参加して、
いっしょに学んだり語り合ったりする。
そんなシブ大にしたいですね。”

日本語学校で講師を勤める西村さんは、2年以上前から参加しているシブヤ大学の常連の生徒。彼女は今年、生徒としての参加から一歩踏み込み、シブヤ大学のスタッフと共に「シブヤ大学国際化プロジェクト」をスタートさせました。シブヤ大学の国際化とは何なのか、彼女はそこにどんな可能性を見るのか、詳しく教えていただきました。


Q:

「シブヤ大学国際化プロジェクト」ってなんですか?

西村:

01IMGP2598.jpg 「シブヤ大学国際化プロジェクト」っていうのは、仮にそう呼んでいるんですが、日本にいる外国人たちの居場所をつくろうというようなことなんです。そこに行くと、日本人と外国人が仕事や勉強以外のことで普通に話せるような場をつくりたくて。
私は普段、日本語学校で主に上級クラスの学生を教えていて、彼らって日本語の日常会話はクリアして、もっと社会的な話題とか趣味のことを話したいという感じがあるんですね。だから、新聞記者の方に講義してもらったり、伝統的な物づくりを体験しに行ってみたりとかするんですが、ほとんどが習って終わりという感じで。それでいいという学生もいるけど、私は、彼らと日本人が興味のあることを通してもっと個人的につながれるような機会があったらいいなあと感じているんです。
そういう場に、シブ大はピッタリだと思って。公開講座やイベントってほかにもあるけど、自分が出てみてシブ大の雰囲気がとても良かったし。授業の内容も、「ドングリ拾い」「宇宙遊泳体験」とかユニークなものがいっぱいあるし。参加する生徒さんやスタッフさんの感じもいいですよね。私自身、「手紙」の授業がきっかけで年の離れた文通友達ができましたから。年齢も、うちの学生は主に20・30代なんですが、シブ大にもその年代が多いですよね。同年代で同じ渋谷周辺にいて、直接知り合うチャンスがあるのに、もったいない!
だから、外国の人たちが授業に出て、それぞれがまた参加したくなったり、気の合う人を見つけてその後も連絡を取り合ったり、何かにつながるといいなって思います。。

Q:

日本人と外国人が自由に話せる場をつくりたいと考えるのはなぜですか?

西村:

04nishimura08.jpg 私自身が英語はホームステイで身につけたし、他の言葉も誰かと生活しながら覚えていった経験があるんですね。勉強するというより、まずたまたま出会った海外の人がいて、その人の国に興味を持ったり、もっとコミュニケーションしたいという気持ちから入っていくんです。だから、できれば学生たちもいろんな日本人に会って、この人と話したいという気持ちから日本語を身につけてほしいなって思うんですね。
外国人というと英語圏の人を想像されることが多いんですけど、実際は、英語も日本語も片言という人がいっぱいいて、なかなか周囲に溶け込めない場合があるんですよ。ずいぶん前ですけど、日本語学校を途中で辞めて台湾に帰国した女の子がいて。最後に彼女と話したとき「さびし〜い」とつぶやいたんですね。きっと、学校とバイトだけで毎日が終わってしまったんだと思います。彼女のことは今でも心の小さなトゲとして残っていて、たくさんいるそうした学生に、いい出会いの機会を少しでも持ってもらいたいんです。
逆に、すごくいい笑顔で卒業していく学生に話を聞くと、だいたい学校以外の居場所があるというか、自分の興味を通じて日本人といっしょに何か活動していたりするんです。誰かと近い関係になれば、トラブルだって起きるけど、いい思い出として心に残るものがありますよね。そんなきっかけがシブ大で生まれたらいいなと思っています。

Q:

今回の活動がこの先どうなっていくのかを教えてください。

西村:

02IMGP2592.jpg シブ大には2年ちょっと生徒として参加していますが、実はかなり初めの頃に「シブ大とうちの学校でコラボができませんか」って、学長に相談しに行ったことがあるんです。当時はいろいろ難しくて実現しなかったんですが。その後も、自分が授業やサークルに参加すると「今ここに学生がいたらどう感じるかな?」と想像していたけれど、なかなか踏み出せなくて。
そうしているうち、シブホで知り合った生徒さんがボランティアスタッフや授業づくりに挑戦しているのを見たりとか、日本に暮らす外国人について改めて考えさせられる内容の授業があったりとか、「ノリダン」の授業に出て何かがハジけたみたいで......上手く言えませんが、最近のいろいろなきっかけがあって、私もやってみようという気持ちになったところなんです。
だからまだこの先どうなっていくのか、全然わかりません。まずは6月の盆踊りの授業に、学生を参加させてみることから始めていこうと思っています。私は通訳というより、難しい日本語が出たらわかりやすい日本語にしてあげるような役割ですかね。これは私たち日本人みんなができる付き合い方というか。みんなが、片言の日本語と身振り手振りのコミュニケーションにもっと慣れて、上手に対話できるようになれば、外国人はいっそう日本の社会に出やすくなると思います。そしたら私たちは、日本にいながらにして彼らの文化や考え方に触れられる機会が増えるわけですよね。できることから少しずつ壁をなくしていって、最終的には、"シブ大の授業に出てみたら隣に外国人がいた"という風になるといいと思っています。

プロフィール:西村信子さん(にしむらのぶこ)

大阪生まれ。学校法人ナガヌマスクール東京日本語学校講師。高校時代に国際教育交流団体AFSの留学生としてアメリカに1年ホームステイ。大学卒業後、高校で英語を教えたのち結婚。転居先の秋田、福井、広島、東京でAFSや日本語のボランティア。日本語学校で教えはじめて約15年、山、サッカー、フィンランド大好きの、もうすぐsixty。

(2009/06/11 | インタビュー 松本浄 | 撮影 oyabin SATO 親瓶さとう 他)