シブヤ大学

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キャンパスライフ

イラスト
吉田安廣さん

FILE.14

吉田安廣さん

(恵比寿ガーデンプレイス勤務、恵比寿キャンパスサポーター)

“会社ではできなかった、
人のつながりを通した街づくり。
それを実現できるのがシブヤ大学だったんです”

学生時代から好きだった恵比寿の街をもっと良くしたい!その思いから、恵比寿ガーデンプレイスの施設運営に携わる吉田さん。2009年2月からは、シブヤ大学の恵比寿キャンパスと共同して「恵比寿の街づくり」に取り組んでいます。そんな吉田さんに、お話を伺いました。

Q:

「恵比寿の街づくり」をしたいと思われたきっかけは何ですか?

吉田:

01.jpg 学生時代、恵比寿でアルバイトしていた時からすごく街の雰囲気が好きだったんです。古い商店があったり、子どもが街中を走り回ってたり、「山の手の下町」って言うんだろうか。ちょっと上品だけど、華美ではなくて、住んでる人の暮らしの中に人情味や温かみがある感じがして。渋谷っていう繁華街の隣に、こんな街があることが、すごくおもしろいなぁと思ってたんです。
もともと「街づくり」に興味があって、他の都市開発の会社からも内定をもらってたんだけど、ある時サッポロビールの工場の跡地に、ガーデンプレイスを建ててるのを見て。これをつくっている会社に入ったら、自分の好きな恵比寿の街で街づくりができるんじゃないかと思って、サッポロビールを志望したんです。入社後は希望通り、ガーデンプレイスの運営や他の街づくりに関わってきました。
でも、ガーデンプレイスができてから、10年以上経って、ふと「恵比寿の街にとって、ガーデンプレイスができたことって良かったのだろうか?」って思うようになって。上品でおしゃれなイメージはできたのかもしれないけど、そこで生活してる人たちが普段着で歩けない街になったんじゃないかと思ったんです。ビール工場だった時は、敷地の中まで入ってきていた町内会のお神輿が、ガーデンプレイスには入って来なかったり。自分が学生時代に感じた恵比寿の街の良さと、ガーデンプレイスがなんだか切り離されているような気がして、もう少し「街とつながるガーデンプレイス」にしたい、と思っていた時にシブヤ大学と出会ったんです。


Q:

シブヤ大学と一緒に街づくりをするようになったのは、どんなきっかけからですか?

吉田:

02.jpg はじめはシブヤ大学の授業の教室としてガーデンプレイスを利用していただいたことでした。施設の貸し出し担当の人が「こんな団体があって、今度恵比寿キャンパスっていうのが立ち上がるらしいよ。何か一緒にできるんじゃない?」って教えてくれたの。ちょうど僕がその時関わっていたのが、ガーデンプレイスを通じて「恵比寿の街をもっとよくしよう」というプロジェクトで。会社としてもいろんな調査をしたり、町内会の方に話を聞きにいったりして、何ができるかを模索している時期だったんです。その中で感じていた課題を、シブヤ大学と一緒に何かすることで解決できるんじゃないかなと思って、僕から声をかけました。
たとえば、恵比寿の街はお祭りとか、町内会の活動がすごく活発だけど、そこになかなか若い世代がいない。シブヤ大学の生徒さんは主に20~30代って聞いてたから、その層が町内会のイベントとかに参加してくれることで、もっと活気づきそうだなと思った。
それに恵比寿にたくさんいるアーティストや特色ある企業とか、それぞれの個性や特色を活かして何かできればいいなと。そう思っても実際に先頭に立って進めたり、連携を促したりする組織がなかったからね。
街も個人も団体もそれぞれが個性や良さを持て余してるような感じを受けてたんだけど、シブヤ大学なら、いろんな人を巻き込んで、つなげていけるんじゃないかと思ったんです。


Q:

実際にシブヤ大学と一緒にどんなことをされたのか教えてください。

吉田:

03.jpg 恵比寿キャンパスの職員会議に出席して、情報交換をさせてもらったり、ガーデンプレイスの施設をお貸ししたり、運営のサポートなんかをしています。
2009年9月に行われたThink!恵比寿では、恵比寿に住んでいる人、働いている人、遊びに来ている人、普段なかなか交わらない人たちが一堂に会して、きっと恵比寿の新しい一面を発見したり、街の魅力を再確認したんじゃないかな。
これまで、ずっと建物をつくるというハード面での「街づくり」を仕事にしてきたけど、本当の意味で魅力的な街って、ピカピカのキレイな建物があればいいってわけじゃないな、と改めて思うようになって。人が集まる魅力的な街には、そこにいる人がイキイキ、楽しそうにしているとか、入れ物だけじゃない中身の魅力がある。その魅力をいろんな人や団体を巻き込みながら、シブヤ大学でつくっていけたらいいですね。Think恵比寿!は小さいかもしれないけど、そのための確実な一歩だったと思う
あと、個人的に印象に残っているのは、段ボールの授業。子どもも大人も一緒になって、馬鹿みたいに一生懸命になって、すごく楽しかったんだよね。どうせ作っても、すぐ壊しちゃうのに、みんな真剣で。あの時は本当にいい汗かいて、打ち上げのビールがおいしかったなぁ。実を言うと、今まで自分はどちらかと言うと、引っ込み思案な方だと思ってたんです。だから、あんなに大勢の知らない人の中に入っていくのは、緊張するし、ちょっと避けたいっていう気持ちもあった。でも、思い切って参加してみたら、意外に楽しいじゃん!って思えたことが自分の中で発見だったんだよね。


Q:

シブヤ大学と関わることで吉田さん自身に変化はありましたか?

吉田:

04.jpg これまでは、平日は仕事ばっかり、仕事が終わったらお酒飲みながら愚痴言って...って感じで、あんまり自分が思う「楽しいこと」をやってなかったと思う。このまま年を取ったら、定年退職した後まずいことになりそう......って思いながらも、やっぱり知らない世界に踏み出すことは怖かった。でも、シブヤ大学に関わるようになって、「とりあえず、自分の興味あること、楽しいことをやってみりゃいいじゃん」って思えた。自分で狭めてた世界が、ちょっとだけ広がった気がします。だから、これからはシブヤ大学はもちろん、もっといろんなことに参加して、自分の趣味の幅を広げたいな、と思ってます。もっと世の中のおじさんがシブヤ大学に参加してくれたらおもしろいのにね。はじめのハードルはちょっと高いかもしれないし、僕もいまだに飲み会に参加するときはドキドキしてるけど(笑) そんなおじさんでも「勇気を出して、参加してみることで世界が広がった!」っていう事例になればいいかな、なんて思ってます。

プロフィール:吉田安廣さん(よしだやすひろ)

1969年神戸出身。大学進学を機に上京。大学時代にアルバイトをしていた恵比寿の街が好きで、この街の街づくりをしたいと考え、サッポロビール株式会社に入社。不動産管理や横浜の赤レンガ倉庫の開発に携わった後、恵比寿ガーデンプレイス株式会社へ出向。恵比寿の街づくりに携わる。現在は目黒在住、いつかは恵比寿に住みたいと考え中。

(2009/10/29 | インタビュー平賀未央|撮影平賀未央 他)

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