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いしのももこさん
(「子供限定授業作り 食育ゼミ」ゼミ長)“ゼミで生まれた、たくさんの笑顔が 私に自信をくれました。”
シブヤ大学での子供限定授業作りを目的に活動を行ってきた「子供限定授業作り 食育ゼミ」。2009年3月「いのちが口に入るまで ~かまぼこ屋さん編~」の授業を実施したゼミの活動について、ゼミ長いしのももこさんに伺いました。
食育ゼミの活動を教えてください。
食育ゼミは、食体験を通して子供たちに食べ物がどんな経路で自分の口に届くのかを理解し、命の大切さを感じてもらうということを目的とした授業作りを行ってきました。
ゼミが生まれたきっかけは、2008年6月のシブヤ大学の授業「遊びと学びのヒミツ基地〜『シブヤ大学』子供限定授業を作ろう!」。この授業では、子供のコミュニケーションをテーマに、各グループがそれぞれ授業を企画しました。その時に、私たちの班は食体験を通し、食べ物の原材料を知るという食育の授業を提案したんです。
子供たちの中には、魚は切り身でしか見たことがないという子もいて、切り身が泳いでいると思っている子までいるんです。だから、普段食べている物が何からできているか学ぶ機会って大切で、調理を通じてそれを理解できればと思って考えた企画でした。他の班からも「公園をフィールドにリアルロルプレイングゲームをする」などの面白い企画が出ていたのですが、最終的に、私たちの班と、もう一つの班の企画が、ゼミとして授業作りを目指して活動することになりました。ちなみにもう一つは5月に授業を実施する、どろけいゼミです。
授業実施までの流れを教えてください。
まずゼミに参加したい人を募集し、メンバーを集めました。それからは、月に一度のペースで集まり、ミーティングを行ってきました。はじめの企画は、「チーズを作る」だったんですが、みんなで話し合った結果、「命の大切さ」をリアルに感じられるのでは、ということで、魚をさばいて「かまぼこ」を作る「かまぼこワークショップ」に決まったんです。テーマが決まってからは、かまぼこ屋さんを見学したり、実際に調理実習のリハーサルを行ったりとさまざまな準備を行いました。
ゼミ生たちのスケジュールを合わせるのは大変でしたが、みんな積極的に参加してくれました。授業の進行スケジュールや、タイトルを考えたりはもちろん、会場の手配や生徒募集用のチラシ作りも自分たちの手で行ったんですよ。
ゼミ生たちはそれぞれに個性があって、料理の仕事をしている人、広告の仕事をしている人、大学生など職業や年齢もさまざまだったんです。でも、そんな仲間たちだからこそ、一人一人違った面白い意見が出てきました。私はその中で、みんなが楽しめ、意見を出しやすい環境作りを心がけました。
そんな準備を経て迎えた授業当日、授業開始前は子供たちが来てくれるのか、事故やトラブルは起きないかなど不安はありましたが、結果は大成功で楽しく実習を終えることができたと思います。
授業を終えての感想を聞かせてください。
授業は、本当に楽しかったです。子供たちの反応がダイレクトに感じられたことが、すごく嬉しかったですね。
「面白かった」とか「今度は、いつやるの?」とか笑顔で言ってくれるのを見て、「ああ、授業やって良かったな」と心から思いましたね。子供たちは自分たちで作ったかまぼこを「おいしい」って、全部残さず食べてくれたんです。それは自分で作った食べ物に愛着を感じてくれたからだと思うんです。「命の大切さを感じてもらう」という授業の目的も、子供たちは自然と感じてくれたんじゃないかなと思います。
それと、もうひとつ嬉しかったのはゼミ生たちの変化なんです。授業の準備段階では、子供たちの反応って想像しかできないじゃないですか。だから、皆ちょっと不安がっていたり、授業開始前も表情が硬かったんです。でも授業が始まったらだんだん子供たちの笑顔につられて、ゼミ生たちも笑顔になったんです。最初はぎこちなかったコミュニケーションも、どんどん積極的になり、最後はもう友達みたいに仲良くなっていました。そんな状況を見て、密かに感動してましたね。
私は、仕事でも食育に関するイベントを行っているんです。でも今回はゼミという形で、仲間と一緒に企画し、運営したことで、新しい学びや発見がありました。例えば、授業の当日にゼミ生の一人がパンダのかぶり物をかぶったんです。それが子どもたちにはウケて、緊張をほぐすきっかけになったと思います。これは私には思いつかないなって思うと、色んな個性のメンバーでやってきた意味や良さを感じるんです。こういう考え方を見習って、仕事にも新しいアイデアを取り入れられたらいいですね。パンダはかぶらないですけど (笑)
十数人の仲間たちのリーダーのような立場で授業を作った体験は、自信にも繋がりました。それは、やっぱりゼミ生の表情の変化で感じたんです。長いようで、短かった8ヶ月だけど、最後にみんなが笑顔で終われたことは、自分に自信を持っていいのかなって思えた、私自身の変化でもありました。
食育ゼミを通じていしのさんは、他にどのような変化がありましたか?
ゼミのミーティングをしたり、シブ大の授業を見学したり、普通にご飯を食べにいったり、渋谷まで来ることはそんなに頻繁でなかった私が、毎週渋谷にいたんですから、大きな変化ですよ(笑)
私は仕事の関係で2年前に東京に来たんです。そのときに思ったのは「東京には何でもあるけど、きっかけがないと何もつかめない」ということだったんです。面白い人や、面白いことがあってもそれとつながるきっかけがないと、何もないのと同じなんだなって。私にとっては、そのきっかけがシブヤ大学だったんです。ゼミを通して新しい仲間ができたり、新しい発見があったり、だからこれからもシブヤ大学を通して、新しいことを吸収していきたいなって思います。
食育ゼミの今後の活動について教えてください。
とりあえずゼミ生たちとは、「美味しいものを食べに行こう」なんて話しています。自分たちが、美味しいものを知ることも食育なんじゃないかって。そんな食育企画です(笑)
この4月に就職で遠くに行ってしまった子もいるけど、これからも皆で楽しく集まりたいですね。長い時間をかけて、一緒に授業を作ってきた仲間たちは、これからもずっと大切な存在なんだと思います。
1980年生まれ。静岡県出身。2007年、仕事の都合で東京へ引っ越す。その後、シブヤ大学へ参加し「子供限定授業作り 食育ゼミ」のゼミ長となる。食育イベントの企画の仕事に加え、イラストレーターとしても活躍している。HP: http://www.ishinomomoko.com/
(2009/04/23 | インタビュー 竹田芳幸 | 撮影 oyabin SATO 親瓶さとう 他)
インタビュー一覧
- 齋藤睦美さん(シブヤ大学 学生)
- 狩野元彦さん(シブヤ大学インターン生)
- 中野安季子さん(シブヤ大学 学生)
- 柴崎俊男さん、市川兼司さん(東急ハンズ、「教えてハンズ」シリーズ仕掛け人)
- 生姜塚理恵さん(ボランティアスタッフ)
- 加藤慎康さん(大ナゴヤ大学 学長)
- 高田誠一さん(シブヤ大学 学生)
- 杉山あゆみさん&子竜くん(シブヤ大学 学生)
- 松本初夏さん(ボランティアスタッフ)
- 吉田安廣さん(恵比寿ガーデンプレイス勤務、恵比寿キャンパスサポーター)
- 佐藤隆俊さん(授業コーディネーター)
- 松田高加子さん(「映画音声解説ゼミ」先生)
- 岩佐堅志さん(街の先生、雅楽演奏家)
- 大谷紀子さん(シブヤ大学学生、ココロゼミ生)
- 新谷比佐さん(恵比寿キャンパス 授業コーディネーター)
- 嶋村千夏さん(ボランティアスタッフ、畑ゼミ「tane」代表)
- 上田晋さん(恵比寿キャンパス 運営スタッフ)
- 西村信子さん(シブヤ大学学生、シブヤ補講)
- 近井祐美子さん(ボランティアスタッフ)
- 河村めぐみさん(アサヒビールお客様生活文化研究所、ビール醸造ゼミ仕掛人)
- いしのももこさん(「子供限定授業作り 食育ゼミ」ゼミ長)
- 原田萌さん(シブヤ大学学生、シブヤ大学キャンパスマップつくり隊 隊員)
- 野原邦彦さん(音声解説ゼミ生、シブヤ大学の作り方学科生)



